見直そう麩と和食の知恵

2019年4月14日

味噌汁の具に常備している麩は、すき焼きに入れたり、卵とじにしたりと便利です。
沖縄料理の麩チャンプルもおいしいですね。
麩について調べてみました。

麩の歴史

遣唐使など、中国の生活様式を学んで帰ってきた人によって、日本に作り方が伝わりました。
江戸時代になるまで、小麦粉は大変高価なもので、食べることができたのは宮中や寺に限られていました。丸く巻いた「ふのやき」というお菓子が、仏事や茶の湯の菓子として使われ、千利休もお好みで茶会にもよく使用されたようです。

江戸時代の終わりに黒船がやってきて以降、精白小麦粉が入ってきて、現在のように滑らかな焼き麩になり、町衆にも広がりました。

京都の地下水は軟水で料理にに適し、お寺も多く、御所もあるので、麩の需要も多く麩の名産地です。職人技術によって育まれ、発展しました。麩の製造業者は麩師と呼ばれ集住地域は、今でも「麩屋町通り」の名が残っています。

麩の成分

小麦粉を水で練り、水の中で洗うと「小麦でんぷん」と「小麦タンパク(グルテン)」に分離します。この小麦タンパクが麩のもとになっています。「小麦からできた弾力のあるもの」を取り出す技術だけが中国から伝わり、茹でたり、油で揚げたり、炒ったりして食べていました。

麩の種類

懐石料理や精進料理に欠かせない形や色合いの材料にも麩が使われてきました。
蓬麩、小豆麩、桜麩、梅麩、季節の野菜や果物などをかたどった細工麩など。

鍋物など、実用に使う麩には、棒に巻き付けて焼いた越後地方の車麩、板に塗り付けて焼いた山形地方の板麩、渦巻き形に青のりを混ぜた観世麩など。

精進料理は一般的には肉魚を使わない野菜だけの料理と思われていることが多いですが、それだけでなく「五色五味五法」の決まりごとがあるそうです。


五色とは、赤・白・黄・青・黒
五味とは、甘味・酸味・塩味・辛味・苦味
五法とは、生・焼く・蒸す・揚げる・煮る

ちなみに麩は(小麦粉の)白に当てはまりますが、蓬を入れると青色に、胡麻を入れて黒色に、と工夫されて使われるようです。

こうしてみてゆくと、素材を生かし、五感を楽しませる豊かな食文化に欠かせない役割を担ってきたことがわかりますね。