皐月(さつき)さの神は稲作の守り神

2019年7月2日

新緑が映え風薫る五月

大自然の豊かな息吹を感じ

私たちも自然と心地よい深呼吸を促され、気分までも広がってゆくのを感じます。

新しい年号令和がこの季節から始まるのは喜ばしいことと受け止めています。

皐月(さつき)の語源

旧暦で皐月(さつき)は

・早苗月が縮まったもの。
・古語の耕作・稲の神を意味する「さ」が語源。

・漢字の皐には「神に捧げる稲」の意味があるため皐月が当てられた。

などの説があります。

古語の「さの神」はもともと山に宿る神だそうですが、春になり田に下りて稲の収穫をもたらす神として私たちの生活にも溶け込んでいきました。

その時期が五月として表され早乙女が早苗を植える、農耕の重要な行事となります。

また、山から「さの神」が下りて来られたことを告げるサクラが咲き、その下で神様のお迎えする花見をして交流します。サケ、サカナ、それを盛るササの葉(→皿)と、これもずっと今に受け継がれてきていることになります。

相模、佐渡、讃岐、薩摩、上総、下総、土佐など古い地名にも「さ」のつくものが多く残されています。

地名といえば、坂(神様が山から下りて来られるのが坂)、堺(神様と人間の境界)なども「さ」の意味を感じさせられます。

「さ」は幸せを意味する音

そして「さ」は何といっても幸(さち)の「さ」ではないでしょうか。

時代によって幸せの受け止め方は変化し、現代では物質的な充足感はかなり満たされ、精神的なものを追求することが主になってきましたが

戦後間もない頃は、食べることに困らない人生を送ることが幸せの条件でした。

古代はことさらに海の幸、山の幸とも呼ばれることからもその恵みの価値がわかります。

神を敬い、力を借り、恵みを協力しあって得ることができ、それを循環させてゆく。

皆で分かち合うこと、そして常に感謝すること。

そんな社会を求め生活を営んでいた姿も感じ取れるのではないでしょうか。

万葉の時代にはまた、この国は「言霊の幸(さきは)う国」と詠まれています。

幸せに満たされた言葉があふれている国。

人と人の間を行きかうのが言葉ですから、言葉によって幸せを呼び起こされたり、癒される豊かさといえるかもしれません。

こういう精神性も脈々と今に繋がっていますね。

「さ」は風の速さを表す

もうひとつ「さ」の音には

「早」や「先」など速い動きを表す意味もあります。

「さっさと」「さぁさぁ」など動きを促す響きでもあります。

古語辞典にもサツ(矢)という朝鮮語salと同源であるという説明があります。

風のように動くこと

幸せはまず人に与えてゆくもの。それが巡り巡って忘れた頃に自分の所に戻ってくる。

タナボタを期待して待っている場合ではありませんね。

言葉

Posted by satoko ikuta