京都のならわしいろいろ

父は京都で生まれ育ち、母も暮らしていたことがあり、我が家は京都の言葉や言い回しが馴染んでいました。

記憶に残っているものや今でも引き継いでいるものを調べてみると、理にかなっていて奥ゆかしさを感じます。

○赤ちゃんのおでこに大小の文字

お宮参りには、男の子には力強くおおらかにと「大」の文字。女の子には優しく細やかに育つようにとの意を込めて「小」の字を額に紅で書きます。

○家の鬼門に南天や柊を植える

南天は「難転」に通じ厄除け・魔除けとして。柊も鋭いトゲを持つことから邪気をといわれ鬼門に植えられました。祖母も両方植えていました。

○家の敷居を踏んではいけない

敷居は人の頭を表すともいい、その敷居を踏むのは人の頭を踏むような行為で出世できないということだそうです。お寺に参詣する時などよく注意を促されましたが、敷居を踏みつけることで土台が弛んで家によくないからということも聞いています。

○お祝い

お祝いの訪問は大安を中心に、先勝、友引の午前中にすることになっています。これらの日は暦としていい日だけでなく、こうした日の午前中にすることで、受け取る側も、日程を暗黙の内に了解することになります。連絡もせずにすんなりと事が運ぶので、忙しい相手方を思いやる合理的なしきたりだといえます。

何かと暦を活用していたように思います。心の通った合理性はこれからも大切だとつくづく思います。

○おため

いろいろなお祝いにお返しをするのですが、これを「おため」「おうつり」といいます。お金をいただいた時にはその一割程度を一帖(20枚)の半紙とともに持参された広蓋(家紋の入った縁のある大きな盆)に乗せて返すことで、慶び事が移っていきますようにという願いと、送った側の金額が確認されるようになっているしきたりです。

形式的なことはほとんど受け継いでいませんが、私の適齢期ごろに「おため」という言葉をよく耳にしたことが懐かしいです。

○万年青

何と読むかわかるでしょうか?クイズのようですが「おもと」です。京都では転居の際、万年青を植えてから入居する習わしがあります。

青々とした葉に赤い実をつける万年青を家運隆盛の象徴として、またいつまでも変わることのない万年青を無事に迎えるお正月の喜びとして飾られました。

新居はマンションでしたが、母は万年青の鉢植えを携えてやってきました。今なら観葉植物が欲しいところですが。

○門掃き

京都では昔から、門掃き(かどはき)、水撒きを行い、家の前の道を掃き清める習慣があります。門掃きは隣の家の一尺(30cm)程度を掃くに止めて、深入りをさけ、お互いを尊重するという考えがあります。

人間関係をスムーズに保ってゆくことを自然に心得て成り立っていた社会があったんですね。時代は変化していますが、お互いに思いやる社会でこれからもあってほしいものですね。

言葉

Posted by satoko ikuta