いだてんさんとごちそうさん

2019年3月8日

韋駄天(いだてん)という神様があります。どんな神様で、仏教の教えの中でどのように位置づけられているか、少し見ていきたいと思います。
その前に仏像の見方として、次の分類(如来・菩薩・明王・天部)を頭に置いておくと、表現されている意味合いがわかりやすく、拝観に役立ちます。

如来
釈迦の異名(名号)のひとつ。「修行完成者」「完全な人格者」を意味し「真如(真理・あるがままであること・悟りの境地)から来て衆生(生きとし生けるもの・特に人間)を導く」とされています。
悟りを得られた境地として釈迦如来は尊ばれ親しまれましたが、のちに大日如来や阿弥陀如来、薬師如来など、様々な如来が現われてきます。

菩薩 仏(陀)の位の次にあり、悟りを求め、衆生を救うために多くの修行を重ねるもの。
釈迦如来に観音・勢至 薬師如来に日光・月光が脇侍の三尊として表されたり、弥勒菩薩や地蔵菩薩など多彩でなじみ深い仏様も多いですね。
ほとんど装飾品を身につけておられない如来に比べ、宝冠や瓔珞(首飾り)などあでやかでさえあります。
ちなみにお地蔵様は修行を終えた修行の姿そのまま、すぐに衆生済度のために六道(地獄、餓鬼、畜生、阿修羅・人間・天)を巡っておられる姿なのだそうです。

明王
密教において最高仏尊の大日如来の命を受け、仏教に未だ帰依しない民衆を帰依させようとする役割の明王は、一般的に憤怒(ふんぬ)の相で火炎を背負い、怒りで髪を逆立て武器類を持った姿で表現されることが多い。
怒りはまた人の心の中の煩悩や悪心を断ち切る力でもあります。
不動明王を代表とする五大明王や愛染明王、孔雀明王が有名です。
天部
インド古来の神が天と訳されて仏教に取り入れられ、御法神となったもの。梵天、帝釈天、吉祥天、弁財天、大黒天などともに、武人天部と呼ばれる四天王や十二神将、阿修羅で有名な八部衆など多彩です。

さて、この天部に属する四天王ですが、東西南北の四方を守護する役割で、東の持国天、南の増長天,西の広目天、北の多聞天(毘沙門天)が位置します。
そして韋駄天さまですが、南方増長天の八将の一人で、伽藍を守る神。足の速い神とされ修行僧の力が弱く悪魔に悩まされるとき走り来たって救ったり、仏入滅のとき、足疾鬼(そくしつき)がその遺骨(仏舎利)を奪い逃げたのを追って取り戻したともいわれています。

そして若い頃こんな話も聞きました。
韋駄天さまは、ある時おもてなしの料理係を仰せつかり、その食材を持ち前の足の速さで、走り回って調達したとのことです。きっとすごかったでしょうね。
ご馳走とはこの逸話からきており、文字通りあちこち良いものを求めて全速力で走り回る様子。冷蔵庫もない昔ですから、なおのことどんなに貴重な行為かと想像できますね。

言葉

Posted by satoko ikuta