「ハレとケ」のことばの意味を知っていますか?

2019年4月9日

ハレとケという言葉があります。

非日常(特別な日)と日常とを対比させる民俗学の基本的な概念で
ハレは、公のもの、正式なものをさし、今でも晴れ着とは正式な場に着ていく正装のことです。

一方、ケは、漢字ではと書き、ハレとは反対に公でないもの、正式でないものを意味しており、日常、普段のことを表します。

ハレの日の行事や季節感もどんどん薄れて、いつでも、どこでも食べたいものがあって、ピシッと居住まいを正すような伝統的な行事や機会も少なく、メリハリの乏しい世の中になって久しいです。

しかし、また一方ではしきたりに縛られることなく、皆でイベントのように楽しむというイマドキのとらえ方も盛んになってきました。
ハロウィン、クリスマス、バレンタイン等々。伝統的な神事であるところのお祭りにも観光客でにぎわいます。

「け」の意味 けは日(か)が転じたもので
ひ(日)が1日をいうのに対して、二日以上にわたる期間をまとめていう語、とあります。
ここにも特別の日・ひ(太陽)→晴れ(る)という言葉に繋がっています。

また、物を盛り、また入れる器を、笥(け)と言い、転じて食べものの意味で、今でも朝餉(あさげ)、夕餉(ゆうげ)、御饌(みけ・神に供える食べもの)などに「け」の音が残っています。

それらの意味から「け」は日常の積み重ねの大切さ。そして食べもの(身体に栄養を与えるもの)の大切さを表します。
「旬」や「身土不二」など今一度見直していきたいものです。

ハレとケ
祖先たちはどんな風にとらえていたのでしょうか。

「ケはハレということばと対立的に用いられる。
ケは氣のことだ。日本語ではキ.ケ.カと音が変わる。
古代人は、ケという根元の存在が充満し、天地にこもりすぎると、万物もその中に 隠(こも)ってしまって命が衰弱していく。
だからこの状態を払拭しなければならない。
そこで神さまにお祈りをしてこもったケをお払いしてもらう。その結果出現する状態をハレと言った。

「払ふ」のフは願いをもって 長く何かをし続ける時のことばで
晴るー払ふは、
請(う)くー誓(うけ)ふ
宣(の)るー呪ふ
言(い)うー祝ふ
と同じ構造である。

コモっていた天地がハルになるのだ。
ハレという状態は、きわめて価値が高く、むしろ神の力によって可能なものと考えたであろう。
冠婚葬祭をハレといってきたこともよくわかる。

ケは充満しすぎてはいけないが、反対に離(か)れてしまうともっとよくない。
ケガレは穢れなどと漢字で書かれる状態である。
ケがなくなると無力になり、抵抗力のない体に細菌がうようよととりつく。
これまた神さまの力で払って頂いたり、自分自身でミソギをしなければならないが、このばあいはケを払い落とすのではない。

春という季節を神の恩寵の季節だと考えた古代人の直感の鋭さにも驚く。
ハレはそのように非常のもので尊かったのである。」(中西進「日本語の力」引用)

常に満ち溢れている氣のエネルギーをうまく循環させてゆく大切さ、納得できますね。

言葉

Posted by satoko ikuta