NHK朝ドラ「まんぷく」武士の娘はドリームキラー

2019年3月8日

NHK30年度後期の朝ドラ「まんぷく」は好調のまま最終盤へ。
次々と大きな困難にぶち当たりながらも、誠実さやひたむきさで超えてゆく夫婦愛と
取り巻く人たちとの人間模様に共感しながらどんどん展開していきました。

見どころ満載ですが、私はヒロインの母親役、鈴さんのキャラクターも面白くて注目しています。
松坂慶子さんと言えば日本を代表する押しも押されもしない、大女優としての代表作も多いですが、
最近はおっとり上品で包容力のある母親役がまたピッタリです。
「西郷どん」の母親役でもその演技力とお人柄が垣間見え、同年代の私にとっても良い年の重ね方というものを感じさせられました。

今回のドラマの役柄の鈴さんについての感想になりますが
「オカンあるある」というか、憎めない浅はかさが適度な緊張感と緩和が醸し出されて毎回やらかし感が楽しみです。
・母親で大奥様の威厳は絶対的ですが、自分中心の目先にとらわれた見解と主張。
・論理性が乏しい割にはたしなめられたり、対意見を言われると余計ムキになる。
・娘婿たちの評価が状況によってコロコロ変わり、時に厳しく、自分も含め男運が悪いなどと口にする。
・「私は武士の娘です」という毅然としたプライドがあるが、そのプライドの基準がイマイチわかりづらい。
などなど。ドラマの進行と共に、立場も心境もゆらゆらしながらも、周りもすっかり扱い方に慣れて、今や欠かせない協力者であり、大らかな優しさで包む存在に。

しかし、萬平さん夫婦が何か新しい局面に進もうとする時には、いつでも反対してみせるという立場は今や定番ですね。新しいことなど危険ばかりで失敗したらどうするの、という超ネガティブ思考。

何かをしようとする時、実は変化を恐れるという心理が人間にはあります。
現状を変えたくない、このままでいい、と子どものころからすり込まれて成長してきている、ということがよく言われます。

自分の意志で成長や成功を遠ざけているわけではなく、自分について語る周囲の人によって、いつの間にかそうさせられてしまうということになるのです。
例えば学校の先生は、その時点での成績などの分析でその生徒の能力に見合う学校をアドバイスします。
成績以上の進路を望めば「無理だ」と言い切られるのが現状でしょう。
先生や親や親しい友人が自分を客観的に分析し、その延長線上で未来のことを進言してくれるのですが、未来への可能性を閉ざすことにもなりかねない。
そんな存在をドリームキラーと言うそうです。

自分も含めて思い当たるふしはありませんか?
未来は何ものにもとらわれずひとりひとりが希望を持って描き、そこに向かって力強く進んでゆこうと、皆が認識すべき時ではないでしょうか。

このドラマの大きなテーマは希望を失わず、失敗を恐れず、人のために役に立つことを実現させてゆく夫婦愛の物語なので、ここで鈴さんのドリームキラーぶりはある意味輝いていて当然ですね。